【レギュレーションF】PJCS予選3回目144位 瞑想ライコスタン

 

はじめに

今回はピヨリリィ杯で34位(レート1581)、てるチャレで4-3、そして第3回PJCS予選で144位(レート1740)を取った瞑想ライコについて記述します。

※それぞれで若干の違いはありますが、軸は変わっていません。詳しくは後述を参照

 

構築経緯

PJCS(ポケモンジャパンチャンピオンシップス)の予選は3回あり、その間には海外でもポケモンの公式大会や通常のランクマシーズンもあるため、その結果に応じて流行り廃りが起こり環境が変化します。実際、予選の3回目にもなるとレギュレーションFにおける構築の幅はかなり広がりました。

 

そのため私は、最初からある程度使いたいポケモンの枠を決めて、模索していました。実際に使いたい候補のポケモンはウーラオス(水悪は不問)・オーガポン・ガオガエン・ゴリランダー・タケルライコ・ハバタクカミ・パオジアンの7匹であり、この枠から色々構築を作って試していました。

 

そうした中で、パオジアン・水ウーラオス・タケルライコ・ガオガエン・ゴリランダー・化身ランドロスの6匹で構成された構築が1回目の予選で結果を残し、少しずつ海外の公式大会でも使われるようになりました。そして、この構成がちょうど私が使いたいと思っていたポケモンたちと被る為、瞑想ライコを最終的に模索することにしました。

 

幸いなことに既に瞑想ライコを使う構築の情報がいくつか出ており、それらから欲しい要素といらない要素を選別することで比較的簡単に6匹の構築を組み上げることができました。

 

採用経緯

まず、瞑想タケルライコは構築の軸であるため必須です。このポケモンは多くのトッププレイヤー達がTierランクのS~Aに位置づけています。実際、このポケモンは強力で積み切れば数的不利を簡単に覆すことができます。

 

そして、瞑想タケルライコを介護するためのゴリランダーガオガエンは必須です。ゴリランダー・ガオガエンともに猫騙しで相手の動きを制限できる他、ゴリランダーはグラスフィールドによりタケルライコの回復を、ガオガエンは威嚇と捨て台詞によってタケルライコの防御面をサポートします。

 

そして、これらのポケモンが苦手な中でも特に化身ランドロス・ブリジュラスを早急に処理したいため氷、水、格闘タイプは必須です。幸い、パオジアン+水ウーラオスの所謂パオウーラという並びがそのままこの要素を満たしつつ、構築全体のパワーを高めてくれるため、そのまま採用しました。

 

こうして、タケルライコ・ゴリランダー・ガオガエン・パオジアン・水ウーラオスの5匹は早くに決まりましたが、最後の1匹は難航しました。

 

元は化身ランドロスなのですが、化身ランドロスでは突如として流行り始めた雪パに対して鋼テラスを切ることを強要されてしまいます。

 

海外では、ウルガモスを採用してるプレイヤーもいました。ウルガモスはフェアリータイプを半減できる、炎の身体により火傷を狙えるという強みを持ちますが、タケルライコ・ゴリランダー・ガオガエンの@1と考えると、もっと瞬間的な火力が欲しく、また同系統の積み合いにおいて非常に厄介となるモロバレル咎める要素が欲しいと感じるようになりました。

 

そこで、負けん気の挑発コノヨザルや番犬の隠密マント挑発イイネイヌなどを使いましたが、結果的にサーフゴーが欲しい要素を満たしすぎているくらい満たしておりサーフゴーを採用しました。

 

サーフゴーは特性の黄金の身体で変化技を無効にすることでコチラに干渉してくるギミック構築に強い他、鋼タイプであるためフェアリータイプ・氷タイプを半減でき、全体技のゴールドラッシュと悪巧みにより第二の積みエースとして、このポケモンが試合を崩壊させるくらいの性能を持っています。

 

また、耐久に振ってやれば、ハバタクカミのシャドーボール、パオジアンのふいうちを耐える程度の耐久を持っていることで安定感が非常に高いのも好感触でした。

 

こうして、タケルライコ・ゴリランダー・ガオガエン・パオジアン・水ウーラオス・サーフゴーの6匹が確定しました。

 

個体解説

ガオガエン(ゴースト)

調整

特になし。

※後日別件で計算したところ、A200悪ウーラオスの暗黒強打+A-1インファイトをちょうど確定耐え(~99.9%)します。

 

本当に何もない。と、いうよりどうしても被弾回数が多くなるので、緻密に調整しても活きないというのが率直な感想。このポケモンはダメージ感覚をしっかり磨くことが強く使う近道。威嚇という特性上物理ポケモンに投げることが多いので、Bに厚めに振っています。

 

技は(フレアドライブ/鬼火/捨て台詞/猫騙し)で、鬼火を採用することでパオカイにも初手から投げてプレーできるようにしました。叩き落とすはノーリスクの殴り技として優秀なので、どちらがより優秀ということはないのですが、鬼火のおかげで楽ができた試合が多かった一方で、叩き落とすでなければ負けていた試合はなかったので、この判断で正解だったと思います。

 

タケルライコ(フェアリー)

調整

H:16n+1

B:A189パオジアンの氷柱落とし確定耐え

C:11n付近で瞑想意識の2n

D:瞑想意識の2n

 

この構築の軸にして、他の瞑想ライコスタンとの明確な差別化点。基本的にこうした構築のタケルライコは(迅雷/竜の波動/瞑想/守る)で採用されていることが多いですが、迅雷を切って10万ボルトを採用しました。

 

私はレギュレーションFの発表当時から、タケルライコの迅雷は2つ目の電気技の採用候補として評価していました。というのも、迅雷と竜の波動という技構成にしてしまうと相手を攻撃できない(=詰み状態になってしまう)状態が起きてしまうからです。

 

瞑想タケルライコというポケモンは現環境のトップメタでもあるため、何かしらの対策はされているものと考えて立ち回るのが前提になります。だからこそ、積み切った際に得られるリターンをより大きく、確実なものにするために、通ることが保証される10万ボルトを採用しました。

 

勿論、迅雷ではないことで水ウーラオスを上から縛れない等のデメリットは生じますが、迅雷がないことが明確に負けに繋がった試合はなかったです。それ以上に10万ボルトにすることで瞑想ライコミラーにおいて素早さに気を使わなくて良い為、他の能力に努力値を回せるメリットの方が大きかったと思います。

 

ゴリランダー(炎)

調整

A:11n

D:C205暁ガチグマのノマテラ珠ブラッドムーン確定耐え

S:準速バンギラス+2、最速暁ガチグマ抜き

 

グラススライダーの威力は下げられてしまいましたが、それでもこのポケモンは非常に強力です。能力値も全体的に高く、グラスフィールド込のウッドハンマーで火力を出しながら、受けもできるというのは唯一無二の性能でしょう。

 

最近では蜻蛉返りを切って、10万馬力を採用しているゴリランダーも見かけますが、スタンにおいてガオガエンとゴリランダーは常に控えに帰れる選択肢があることが重要だと考えているため蜻蛉返りを採用しています。そのため、相手のゴリランダーに対して上から蜻蛉返りを打てる幅を広げるため、素早さを高めに設定しています。

 

テラスタイプはハバタクカミ+イーユイの並びに対して強気に動かしたいため、炎テラスにしています。

 

サーフゴー(フェアリー)

調整

B:A189パオジアンの不意打ち確定耐え

D:C205ハバタクカミのシャドーボール、C205タケルライコの10万ボルト+迅雷確定耐え

S:準速バンギラス抜き

 

このサーフゴーの枠がスタンにおける自由枠です。渚パではランドロスでしたが、以降はハバタクカミ・ウルガモスなど多様化していきました。

 

私もこの枠はハバタクカミ・ランドロス・コノヨザル・イイネイヌなど色々使っていましたが、結局フェアリーの一貫を切れる、氷タイプに強い、モロバレルのキノコの胞子を受けないという理由でサーフゴーが一番安定しました。

 

第二の積みエースですが、特にスローペースなスタンミラーや雪に対しては積極的に悪巧みを積み、このポケモンでの全抜きも視野にいれます。テラスタイプは悪ウーラオスの暗黒強打・インファイトを半減できるフェアリーテラスタルで、技は(ゴールドラッシュ/シャドーボール/わるだくみ/まもる)で採用しています。

 

シャドーボールを切ってマジカルシャインを採用しているサーフゴーもいますが、あまりテラスタルを切るポケモンではないこと、サーフゴーミラーでシャドーボールを打てることを評価してシャドーボールにしています。

 

持ち物は事故を避けられる隠密マント・オボンの実など色々持たせましたが、結局ガオガエンに叩かれることを念頭に入れるなら、タイプ強化系が一番良いという結論に至りました。

 

ウーラオス(水)

調整

A:11n、テラス時災い水流連打でH84-B44の鋼・毒テラス化身ランドロスを確定1発

D:C207タケルライコの迅雷、C183化身ランドロスの力ずく珠大地の力、C156ハバタクカミのムーンフォース確定耐え

S:スカーフ込みで最速トルネロス抜き、味方のパオジアンより遅い

 

採用できない理由がないなら是非とも採用したいのがウーラオスです。中でも水ウーラオスは水流連打で急所に当てながら、気合の襷をもつ低耐久のポケモンを迅速に処理することができます。

 

一般的なスカーフウーラオスは138(最速テツノツツミ抜)まで振るパターンが多いですが、私は最速トルネロス(179)抜きまでに抑えて耐久に振りました。

 

理由として、Sブーストするハバタクカミをスカーフウーラオスは抜くことができません。また、Sブーストしないハバタクカミはトルネロスエルフーンと組んで追い風をしたり、コータスのひでりで古代活性を発動させるため、これもスカーフウーラオスでは抜けません。また、パオジアンも水流連打で倒すにはテラスタルを切らなければならないため、基本一撃では倒せません。

 

そのため、耐久に振って色々耐えて返した後に一度引き、終盤の詰めにもう一度使う運用が強いと思い、タケルライコを倒しに来る化身ランドロス、上から蜻蛉返りを打ちたい最速オーガポン、1ターン目に追い風を展開されなかったときや悪戯心の上からアクアジェットを打てる、最速化身トルネロスボルトロス抜きに素早さを設定しました。

 

パオジアン(ゴースト)

調整

B:A200水ウーラオスの水流連打確定耐え

 

タケルライコ・サーフゴー・ガオガエンがいずれも地面タイプが弱点であるため、地面タイプの弱点をつけるポケモンは多く採用したいです。そうした中で、パオジアンは頭が一つ抜けており、水ウーラオスとも非常に相性が良いポケモンです。

 

本来は最速にして採用したいのですが、最速にするとダメージが足りない(HB♀イエッサンをじごくづきで確定にできない)という理由から意地っ張りにしています。このため、パオジアンミラーで負けてしまうことが多くなってしまいましたが、元々聖なる剣を切っている為、ミラーは諦めました。

 

逆にイエッサンやリキキリンをじごくづきで倒しながら、隣に水テラス水流連打を当てることでトリックルーム構築に対してイージーウィンできる可能性を残しました。ウーラオスの素早さをパオジアンより落としているのもこれが理由です。

 

後述

ピヨリリィ杯

サーフゴーの持ち物が隠密マント

主に雪パの氷への対策。結果的に凍ることへの対策より、ゴールドラッシュのダメージを少しでも伸ばした方が良いということで、予選では鋼鉄プレートになりました。

 

てるチャレ

パオジアン(氷柱落し/不意打ち/聖なる剣/守る)性格陽気

Bo3においては、聖なる剣があるとないとでかなり話が変わります。また、この構築はスカーフウーラオスが最速パオジアンの上を取っていないため、Bo3における勝率を安定させるために火力よりスピードを取りました。

 

本戦

パオジアン(氷柱落し/聖なる剣/氷の礫/守る)性格意地

ドドゲザンやガオガエン引きに合わせて打てるように格闘打点の聖なる剣を採用しました。元の構築がガオガエン・パオジアンの処理速度が遅かったこともあり採用しましたが、結果的には良くも無し、悪くも無しでした。

 

レンタルコード

 

最後に

今回、初のPJCS予選抜けを達成することができました。私はレギュFにおける結論パはこの瞑想ライコスタンであると思っています。

 

この構築は極論タケルライコ+ゴリランダー+ガオガエン以外は自由枠で好きに組むことができます。並びで戦う構築ではないため、単体性能の高いポケモンをある程度自由に採用することができますが、故に扱うのが難しい構築でもあります。

 

実際、私も好みはこうした構築ですが去年はハバタクカミ・イーユイ・テツノカイナ・ギャラドス・ディンルー・モロバレルを使いこなせず、こうしたタイプの構築では結果を出せていなかったので、今年はこのスタンで結果を出せたことを嬉しく思っています。

 

Spread Sheet

Rental Code:L8HTYN

Incineroar @ Safety Goggles  
Ability: Intimidate
Level: 50  
Tera Type: Ghost  
EVs: 252 HP / 4 Atk / 164 Def / 84 SpD / 4 Spe  
Impish Nature  
- Flare Blitz  
- Will-O-Wisp  
- Parting Shot  
- Fake Out  

 

Raging Bolt @ Leftovers  
Ability: Protosynthesis  
Level: 50  
Tera Type: Fairy  
EVs: 196 HP / 164 Def / 108 SpA / 36 SpD / 4 Spe  
Modest Nature  
IVs: 20 Atk  
- Thunderbolt  
- Dragon Pulse  
- Calm Mind  
- Protect  

 

Rillaboom @ Assault Vest  
Ability: Grassy Surge
Level: 50  
Tera Type: Fire  
EVs: 252 HP / 36 Atk / 4 Def / 140 SpD / 76 Spe  
Adamant Nature  
- Wood Hammer  
- Grassy Glide  
- U-turn  
- Fake Out  

 

Gholdengo @ Iron Plate  
Ability: Good as Gold  
Level: 50  
Tera Type: Fairy  
EVs: 252 HP / 68 Def / 84 SpA / 28 SpD / 76 Spe  
Modest Nature  
IVs: 0 Atk  
- Make It Rain  
- Shadow Ball  
- Nasty Plot  
- Protect  

 

Urshifu-Rapid-Strike @ Choice Scarf  
Ability: Unseen Fist  
Level: 50  
Tera Type: Water  
EVs: 156 HP / 156 Atk / 4 Def / 172 SpD / 20 Spe  
Adamant Nature  
- Surging Strikes  
- Close Combat  
- U-turn  
- Aqua Jet  

 

Chien-Pao @ Focus Sash  
Ability: Sword of Ruin  
Level: 50  
Tera Type: Ghost  
EVs: 252 Atk / 4 Def / 252 Spe  
Adamant Nature  
- Icicle Crash  
- Throat Chop  ( Maine Tournament:Sacred Sword )
- Ice Shard  
- Protect